医療の現場から

佐中孜 教授 東京女子医科大学東医療センター

腎不全の場合、腸管内に尿素、クレアチニン、尿酸などの老廃物がとくに大量に排出され、その一部が、下流の腸管壁より再び吸収されるという腸循環が存在することが知られています。もし、これらの老廃物を腸管壁より再び吸収される前に除去することができれば、その分だけ老廃物の血中濃度を低下させることが出来る筈であり、腎不全の進行を抑制し、尿毒症状を改善させ、その当然の結果として透析導入の時期が遅くなります。

腎不全の進行抑制には低蛋白食事療法や経口吸着薬などが有用ですが、その他にも、乳酸菌製剤や食物繊維があります。前者の乳酸菌製剤は腸内細菌叢を正常化することで知られており、腸内の大腸菌を減少させることにより、腸内でのインドールの生産を抑え、ひいては体内のインドキシル硫酸濃度を低下させる働きがあります。また、食物繊維を1日20~40gと比較的大量に摂ることにより大腸の機能を改善し、正常細菌叢を十分に有した便、良好な便通を獲得でき、その結果、インドキシル硫酸やAge'sなど腎毒性物質の血中濃度を低下させることが出来ると期待されています。

1枚あたり約9gの食物繊維と有胞子乳酸菌が組み込まれたケイロックスは、腸管内の善玉菌の働きを利用するというユニークな特徴をもち、各種の治験においても非常に興味深い結果が出ていますし、私のグループにおける動物実験においてもその有効性が確認されました。

ケイロックスは排便コントロールに優れているため、経口吸着薬やリンの結合薬との併用にも可能性を感じます。

私が尊敬する高名な研究者によって開発されていること、そして食品というカテゴリーでありながらも治験を重ね本品の信頼性を高めようと心掛けているケイロン・ジャパン社の姿勢にも好感が持てます。